【名前】コハク(30代後半・男性)
新卒入社した会社で500社を超える企業の採用支援を行う。20代で起業し100名以上を採用。転職業界は求職者・採用者の両面で詳しい。現在「転職戦記」編集長
・未上場企業に転職しようか考えていてストックオプションの話が出た
・ストックオプションの実際を知りたい
・SOの付与の仕方について勉強したい
はははー!そんなわけないぜ、ヒヒーン!
\ベンチャー幹部への転職なら一択/
目次
ストックオプションの簡単なおさらい
ストック・オプションとは、予め決められた価格で自社株を買う権利をいいます。予め決められた価格が時価より安かった場合、この権利を与えられた者は利益を受けます。
ストックオプションは、付与と実行、売却の3つが揃って初めて益が出ます。
まずは、SOの「付与」から
あらかじめ決められた価格というのが大事です。会社のステージによって決まります。
会社の価値が上がっていくという前提で出資を受けていると、遡って崩せません。お金って信用でできているですよね。
そのため、最初に1株100円だったものが、1回目の第三者割当増資で1000円になったら、ストックオプションを含めて1000円以下で付与されることはありません。それをしてしまうと、お前の話嘘じゃん、ってことになりますので。1株いくらで買えるのかという値段のことを、行使価格と言います。
なので、早いタイミングほど行使価格は安くなります。
そして、SOの「実行」へ
そのストックオプションを貰ったときの条件に乗っ取って買えるタイミングが来たら実行できます。だいたい、未上場企業であれば、以下の3つは入ってます。
1. 退職したらダメ
2. 期限が失効したらダメ
3. 上場しないとダメ
1. 退職したらダメ
会社に入って、3年間一度も家に帰らず寝泊まりして必死に働いても、退職したら取り上げられます。社外に持ち出すというのは、権威あるおじさまがアドバイスしてあげよう、名前貸してあげよう、とかの場合はありますが、転職してもらうパターンの人にはありえないですね。
2. 期限が失効したらダメ
期限は付与から大概、5年とか付いてます。上場スケジュールよりも先になっていますが、上場がどんどん延長されると、期限の更新を役員会・株主総会等で通します。悪意がある経営者であれば、更新せずに捨てることもできますが、それをするようなことがあれば、古株はみんなやめますね。ただし、その古株は生株を持っていて、特定の外したい人だけがその期限のSOを持っていたら、捨てられる可能性もありますね。あまりないケースですが、付与しても経営層はあとからできる手段があるといことです。
3. 上場しないとダメ
上場しないとそもそも流動性が確保されないので、ダメでです。売り先がないと言う話になりますので。
最後は「売却」
SOの行使価格よりも高い市場価格になって売却すれば初めて利益が出ます。なお、税率は売却益のだいたい20%かかります。
例えば、未上場会社で上場までに3回SOの行使があったとして、最後のタイミングで出したSOの行使価格が、上場後の価格よりも高いというケースも実際にあります。うまく、会社の価値がつかなくて、事前の想定よりも安くなってしまうケースです。その場合、ストックオプションを実行する方が損をするので、誰も実行しません。
行使価格よりも高い価格で売却できるのかまで成立して初めて利益が出るので、それなりにハードルあります。
SOはぶら下げられた人参。君は馬。ヒヒーン
経営者からするとSOは魔法のチケット
経営者からすると、手元の現金を削らずに優秀な人を雇える魔法のチケットです。
言い換えると、手元の現金の方が価値があって、ストックオプションは不確実だからそっちのほうが価値が低いと経営者が思っているから付与するわけですね。
その魔法のチケットを無限に使われると、既存株主は株が希薄化するので困ります。そのため、事前に、「ストックオプションプール」を設けておきます。
ストックオプションプールが付与上限
既存株主と相談して、全体の10%まで、と言った形でどれだけストックオプションを付与していいかをあらかじめ決めておきます。その決めておく枠をストックオプションプールを呼んでいます。ストックオプションプールはだいたい10%から多くて20%ぐらいではないでしょうか。
転職してもすぐSOは付与されない
経営者は、このストックオプションプールから数回に分けてSOの付与を実施していきます。
転職で事前にSO付与が約束していたとしても入社したらすぐ付与されると言うことはありえません。次回の付与タイミングで、他の人と揃ってあげます、と言う感じになります。
ストックオプションどれぐらいもらったら転職するか?
ストックオプションは、泡として消えていく可能性が結構あります。上場したいと思ってもできない会社は山ほどありますし、上場後、時価総額がうまくつかなくて、行使価格割れという状況も考えられます。
そのリスクを自分の人生にどこまで織り込むかですね。
SOを織り込み過ぎないのが良い
例えば、年収1000万もらえる人が、年収700万+SO300万円/年 で入社したとして、うまく行ったらそのSOが5倍になるみたいな話があります。その場合、700万円での転職、以上!!と割り切った方がいいです。
どれぐらい貰ったら転職するのかという以前にSOがいくらであろうと、転職の年収がいくらなのか、だけを見て判断した方がいいです。それでも転職したい条件であれば、SOをプラスアドオンで考えましょう。
ストックオプションもらったら億万長者なのか?
億万長者になることもありえますが、条件結構厳しめというか、運も必要です。
SO 0.1%の時価総額1000億で1億円ゲット
ストックオプションプールが10%あったとして、ストックオプションを100人に付与したとしますね。ありえないですが、平均的に配ったとして一人当たり 0.1% の付与と言うことになります。
その会社がうまく上場して、時価総額が1000億になったらあなたのストックオプショの価値が1億円になります。
時価総額が1000億になる会社って、かなーりレアですね。上場できるだけでも結構レアですが、一部のユニコーンをのぞき、めっちゃめちゃうまく上場できて300億です。100億いったらまぁまぁいい感じですし、50億上場なんてざらにあります。
利益50億・PER20倍で時価総額1000億円
1000億の時価総額に対して、PER20倍つけられたとして、利益で50億出している会社ですね。PER20倍も相当レアですから。
今から転職する会社将来50億の利益を出せる会社になりそうですか?
それはいつぐらいでしょうか?
そう考えると、入社する先の会社がしっかり成長するという運も持ってないとだめですね、
まとめ
ストックオプションについて、経験からのリアルな話を書きました。ストックオプションは100万だろうと1億だろうと実行できないと無価値ですので、浮かれずに判断するのが得策だと思います。
SOが出る会社への転職は、口コミで自分で探すのがいいかもしれないですね。
あとは、ヘッドハンターや転職エージェントも情報持っています。そっちの紹介の方が下手を踏むリスクは減ります。ベンチャー企業からすると掲載するだけでコストかかる媒体より成功報酬のエージェントの方が使いやすかったので、早くからいい人いたら紹介してくだいということで使っていました。
\日本最大3200名のヘッドハンターが利用/
